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育成就労制度の外部監査人とは?要件・資格・業務内容を行政書士が解説

公開: 2026/4/8
田原 靖弘
8 min read

育成就労制度の外部監査人とは、監理支援機関の業務が適正に行われているかを外部の立場から監査する者であり、全ての監理支援機関に設置が義務付けられている(法第25条第1項第5号)。行政書士、弁護士、社会保険労務士等の有資格者で養成講習を過去3年以内に修了した者が就任できる。定期監査(3か月に1回以上)と同行監査(年1回以上)を行い、監査報告書を作成・提出する。従来の技能実習制度では「指定外部役員」との選択制だったが、育成就労制度では外部監査人に一本化された。

💡この記事の要点 / Key Takeaways

育成就労制度では全ての監理支援機関に外部監査人の設置が義務化されました。技能実習制度との違い(比較表付き)、3つの要件(養成講習・専門資格・独立性)、定期監査と同行監査の業務内容を、大阪の行政書士が解説します。

田原 靖弘
✍ この記事の執筆者

田原 靖弘申請取次行政書士 / 元大阪府警刑事

国内で初めて外国人グループによるクレジットカード偽造工場を摘発するなど、外国人犯罪の捜査にも従事。現在は取次行政書士として在留資格の申請取次業務を行っています。

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2027年4月に施行される育成就労制度では、すべての監理支援機関に外部監査人の設置が義務付けられています(法第25条第1項第5号)。

2026年4月15日から監理支援機関の許可申請の受付が始まっていますが、外部監査人が決まっていなければ、許可申請そのものができません。

元大阪府下最年少の捜査二課警部補として不法就労事件の捜査指揮に携わり、現在は申請取次行政書士・特定行政書士として大阪を拠点に活動している立場から、外部監査人の要件・資格・業務内容を解説します。

外部監査人とは何か — 制度の位置づけ

外部監査人とは、監理支援機関の業務が適正に行われているかどうかを、外部の立場から監査する者です。

従来の技能実習制度でも外部監査の仕組みはありましたが、育成就労制度では大幅に強化されています。以下の表で主な違いを整理します。

項目技能実習制度(従来)育成就労制度(2027年4月〜)
外部監査人の設置「指定外部役員」または「外部監査人」の選択制外部監査人のみ(義務化・一本化)
養成講習明確な受講義務の規定なし過去3年以内の受講が必須
許可との関係許可要件の一部許可申請時に確定が必須(未確定なら申請不可)
監理団体の移行自動移行なし。全団体が新規に許可申請

外部監査人になるための3つの要件

出入国在留管理庁のQ&A(Q30)および運用要領に基づき、外部監査人には以下の3つの要件が定められています。

要件1:養成講習を受講していること

法務大臣および厚生労働大臣が告示した養成講習機関が実施する講習を、過去3年以内に修了している必要があります。

なお、経過措置として、技能実習制度における監理責任者等講習の修了が養成講習の代わりとして認められています(規則附則第4条)。

要件2:専門資格または育成就労の知見を有すること

具体的には、以下のいずれかに該当する者です。

  • 弁護士または弁護士法人
  • 社会保険労務士または社会保険労務士法人
  • 行政書士または行政書士法人
  • その他、育成就労に関する知見を有する者

要件3:独立性の確保(密接な関係がないこと)

外部監査人は、監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者(受入企業)と密接な関係を有しないことが求められます。

「密接な関係」の判断について(運用要領):

  • 監理支援機関と顧問契約を結んでいる弁護士・行政書士等は、直ちに「密接な関係」には該当しません
  • ×傘下の受入企業(育成就労実施者)と顧問契約がある場合は「密接な関係」に該当し得ます

つまり、許可申請の書類作成を依頼した行政書士が、同じ監理支援機関の外部監査人に就任することは法令上可能です。申請段階から状況を把握している専門家が監査を行うことで、監査の精度が高まるというメリットもあります。

外部監査人の業務内容

外部監査人の業務は、大きく「定期監査」と「同行監査」の2つに分かれます(運用要領)。

定期監査(3か月に1回以上)

  • 監理支援機関の各事業所の設備確認
  • 帳簿書類の閲覧
  • 責任役員・監理支援責任者からの報告聴取
  • 外部監査報告書の作成・提出

同行監査(年1回以上)

  • 育成就労実施者(受入企業)への監査に同行
  • 受入状況の確認
  • 結果を記載した書類の作成・提出

これらの監査結果は、監理支援機関の許可更新時にも重要な資料となります。適切な監査を継続することが、許可の維持・更新に直結します。

外部監査人を確保する際の確認事項

外部監査人は許可申請の段階で確定している必要があります。候補者に対して、以下の点を事前に確認してください。

  1. 1.養成講習の修了状況:養成講習(または経過措置の監理責任者等講習)を修了しているか、有効期限(3年)内かを確認
  2. 2.専門資格:行政書士・弁護士・社労士等の資格を保有しているか
  3. 3.独立性:御団体の傘下の受入企業と顧問契約等の密接な関係がないか(監理支援機関との契約は問題なし)
  4. 4.対応エリア:定期監査(3か月に1回以上)や同行監査で事業所や受入企業を訪問できる距離にあるか

外部監査人を早期に確保すべき理由

  1. 1.許可申請の前提条件:外部監査人が決まっていなければ、許可申請そのものができません
  2. 2.全国約3,770の監理団体が一斉に動き出す:従来の監理団体は自動移行されず、全団体が新規に許可申請を行います。対応できる専門家の数には限りがあります
  3. 3.制度施行日からの事業開始:2027年4月1日の施行日に間に合わせるためには、遅くとも2026年秋頃までに許可申請を完了する必要があります

大阪・近畿で外部監査人をお探しの方へ

外部監査では事業所や受入企業への定期的な訪問が必要なため、近隣の専門家に依頼することが、交通費の抑制と迅速な対応の両面で有利です。

当事務所は大阪市北区を拠点に、大阪府・近畿2府4県の監理団体を対象として、許可申請の代行から外部監査人の就任までワンストップで対応しています。

外部監査人の費用や、行政書士・社労士・弁護士のどこに依頼すべきかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

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田原 靖弘

この記事の著者

田原 靖弘

特定行政書士 / 元大阪府警捜査二課刑事

大阪府警で18年間、捜査二課で詐欺・横領・企業犯罪の捜査に従事。退職後は会社役員として経営にも参画。 現在は特定行政書士として、企業の危機管理・外国人雇用支援・医療法人設立支援を行っている。

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