
監理支援機関の許可申請が2027年4月1日の施行日に間に合わない場合、育成就労制度の監理支援業務を行うことができなくなる。ただし、申請は取り下げる必要はなく施行日以降も審査は継続される。間に合わない主な原因は、外部監査人の確保の遅れ、審査の集中による長期化、許可要件(債務超過・職員配置基準等)の未充足である。不許可になった場合は、特定行政書士が審査請求を代理できる。
💡この記事の要点 / Key Takeaways
2027年4月の施行日までに監理支援機関の許可が取れないとどうなるのか。間に合わない主な原因、今からでもできる3つの対応策、不許可時の審査請求まで、大阪の行政書士が解説します。

田原 靖弘申請取次行政書士 / 元大阪府警刑事
国内で初めて外国人グループによるクレジットカード偽造工場を摘発するなど、外国人犯罪の捜査にも従事。現在は取次行政書士として在留資格の申請取次業務を行っています。
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無料相談2026年4月15日から監理支援機関の許可申請の受付が始まります。2027年4月1日の育成就労制度施行日までに許可を取得できなければ、育成就労の監理支援業務を行うことができません。
「申請の準備がまだ進んでいない」「外部監査人が見つからない」——そうした状況にある監理団体は少なくありません。
元大阪府下最年少の捜査二課警部補として不法就労事件の捜査指揮に携わり、現在は申請取次行政書士・特定行政書士として大阪を拠点に活動している立場から、許可申請が間に合わない場合に何が起きるのか、そしてどう対応すべきかを解説します。
施行日までに許可が取れないとどうなるか
2027年4月1日の施行日以降、監理支援機関の許可を取得していない団体は、育成就労制度における監理支援業務を行うことができません。
具体的な影響
- ●新規の育成就労外国人の受入支援ができなくなる
- ●傘下の受入企業に対して育成就労の監理支援を提供できなくなる
- ●受入企業との関係維持が困難になり、他の監理支援機関に流出するリスクがある
ただし、施行日に間に合わなかった場合でも許可申請を取り下げる必要はありません。施行日以降も審査は継続されるものと考えられます。許可が下りるまでの間は育成就労の監理支援業務を行えませんが、許可取得後に業務を開始できます。
また、施行前から受け入れている技能実習生については、経過措置により技能実習の在留資格での活動が継続可能です(詳しくは経過措置まとめをご覧ください)。
なぜ間に合わないケースが出るのか
- 1.外部監査人が確保できない:全機関に設置が義務化されたため、全国約3,770の監理団体が一斉に外部監査人を探しています。対応できる専門家の数には限りがあります
- 2.審査に時間がかかる:全国の監理団体が集中的に申請するため、審査期間が通常より長くなる可能性があります
- 3.許可要件を満たせない:債務超過、職員配置基準(常勤2人以上、実施者8社/外国人40人あたり1人)、定款変更など、準備に時間がかかる要件があります
- 4.情報の整理が追いついていない:運用要領の内容が多岐にわたり、何から手を付けるべきかわからないケースがあります
今からでもできる対応策
対応策1:外部監査人の確保を最優先で進める
許可申請において最もつまずきやすいのが外部監査人の確保です。外部監査人が決まっていなければ、申請そのものができません。書類準備と並行して、まずは外部監査人の候補者への連絡を始めてください。
大阪・近畿圏の監理団体であれば、近隣の行政書士に依頼することで、許可申請の代行と外部監査人の就任をセットで対応できます(外部監査人の要件・資格の詳細はこちら)。
対応策2:許可要件の適合状況を早期に確認する
許可要件を満たしていない項目がある場合、その解消に時間がかかります。特に以下の項目は早めの確認が必要です。
- 債務超過の有無:直近の決算で債務超過がある場合、解消計画が必要です
- 職員配置基準:常勤の役職員が2人以上必要。受入企業数に応じた増員も検討してください
- 定款変更:育成就労制度に対応する事業目的が含まれていない場合、変更が必要です
対応策3:専門家に申請代行を依頼する
許可申請書の作成、添付書類の整備、要件の適合チェックなどを行政書士に依頼することで、効率的に準備を進められます。また、申請代行をスポットで依頼した行政書士に対し、そのまま外部監査人への就任を依頼することも法令上可能です(運用要領)。その場合、監査の独立性・中立性を担保した適切な契約形態とすることが重要です。
不許可になった場合 — 審査請求という選択肢
万が一、許可申請が不許可になった場合でも、審査請求(行政庁に対する正式な不服申立て)という選択肢があります。
審査請求では、行政の判断が違法であるかだけでなく、不当であるかどうかも審査の対象になります。裁量権の逸脱・濫用があれば、それを正式に主張できる制度です。
この手続きを代理できるのは、全行政書士約53,000人中、約6,000人の特定行政書士に限られます。
さらに、令和8年(2026年)1月の行政書士法改正により、特定行政書士の業務範囲が拡大されました。これにより、他事務所で申請して不許可になった案件や自社申請で不許可となった案件であっても、特定行政書士が途中から代理人として介入し、審査請求によるリカバリーを行うことが可能です。
申請の実務情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請受付開始 | 令和8年(2026年)4月15日 |
| 申請窓口 | 外国人技能実習機構(OTIT)本部審査課分室 |
| 問い合わせ先 | 専用コールセンター 0570-011-300(平日9時~17時) |
| 制度施行日 | 令和9年(2027年)4月1日 |
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この記事の著者
田原 靖弘
特定行政書士 / 元大阪府警捜査二課刑事
大阪府警で18年間、捜査二課で詐欺・横領・企業犯罪の捜査に従事。退職後は会社役員として経営にも参画。 現在は特定行政書士として、企業の危機管理・外国人雇用支援・医療法人設立支援を行っている。
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