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監理支援機関の許可申請が始まりました|外部監査人の確保から申請手続きまで行政書士が解説

公開: 2026/4/4
田原 靖弘
10 min read

監理支援機関とは、育成就労制度(2027年4月施行)において育成就労外国人の受入れに関する監理・支援を行う機関であり、従来の技能実習制度における監理団体に代わるもの。全ての監理団体は新たに許可申請を行う必要がある。本記事では許可申請の準備から外部監査人の確保、不許可時の対処法まで解説する。

💡この記事の要点 / Key Takeaways

2026年4月15日、監理支援機関の許可申請の受付が始まりました。現在の監理団体の許可は自動移行されません。許可要件のチェックリスト、外部監査人の確保方法、許可申請と外部監査人を同じ事務所に頼めるのか、不許可時の審査請求まで、行政書士が実務的に解説します。

田原 靖弘
✍ この記事の執筆者

田原 靖弘申請取次行政書士 / 元大阪府警刑事

国内で初めて外国人グループによるクレジットカード偽造工場を摘発するなど、外国人犯罪の捜査にも従事。現在は取次行政書士として在留資格の申請取次業務を行っています。

2026年4月15日、監理支援機関の許可申請の受付が開始されました。

育成就労制度(2027年4月1日施行)への移行に伴い、現在の監理団体は全て、監理支援機関として新たに許可を取得する必要があります。自動移行はありません(育成就労制度 運用要領 2-2〜2-3ページに明記)。

元大阪府下最年少の捜査二課警部補として不法就労事件の捜査指揮に携わり、現在は申請取次行政書士・特定行政書士として活動している立場から、許可申請の準備として何をすべきか、外部監査人の確保をどう進めるか、そして不許可になった場合の対処法まで実務的に解説します。

許可申請の受付スケジュール

まず、今後のスケジュールを確認しましょう。

時期内容
2026年4月15日監理支援機関の許可申請 受付開始
2026年9月1日育成就労計画の認定申請 受付開始
2027年4月1日育成就労制度 正式施行

2027年4月の施行日から事業を開始するためには、遅くとも2026年9月末頃までに許可申請を完了しておくことが推奨されます。審査には一定の期間がかかるため、早めの着手が重要です。

なぜ「自動移行」ではないのか

技能実習制度から育成就労制度への移行は、単なる名称変更ではありません。監理支援機関には、従来の監理団体よりも厳格な許可基準が求められています。

主な変更点:

  • 外部監査人の設置が全機関に義務化(法第25条第1項第5号)
  • 許可要件の厳格化(財務基盤、人員配置基準等)
  • 許可の有効期間は初回3年(優良基準を満たせば更新時5年に延長、運用要領 5-66)
  • 許可を更新できなかった場合、監理支援事業を継続できなくなります(運用要領 5-67)

許可要件チェックリスト — 何を準備すべきか

許可申請にあたっては、以下の要件を満たしているかを事前に確認しておくことが重要です。

法人形態の確認

監理支援機関は、営利を目的としない法人であることが求められます。事業協同組合、商工会議所、公益社団法人などが該当します。

財務要件

直近の決算において債務超過でないことが必要です。債務超過の場合、許可が下りない可能性があるため、決算書類の整理と財務状況の確認を早めに行ってください。

人員配置基準

各事業所に常勤の役職員を2人以上配置する必要があります。また、監理支援責任者の選任も必須です。

監理支援費の整備

監理支援費の算出根拠を明確にし、料金表を整備する必要があります。

定款変更

既存の定款に育成就労制度に対応する事業目的が含まれていない場合、定款変更が必要になることがあります。

外部監査人の確保 — 最初に動くべき理由

許可申請において、多くの監理団体が最初につまずくのが外部監査人の確保です。

重要

許可申請の時点で外部監査人が決まっていなければ、申請そのものができません。外部監査人の確保は、許可要件チェックや書類作成よりも先に動くべき項目です。

外部監査人の要件

  • 弁護士、社会保険労務士、行政書士等の有資格者、またはこれらに準ずる知見を有する者
  • 養成講習を受講していること(経過措置あり:規則附則第4条)
  • 監理支援機関が監理支援を行う育成就労実施者(受入企業)と密接な関係を有しないこと

外部監査人の業務内容

定期監査(3か月に1回以上)

  • 事業所の設備確認、帳簿書類の閲覧
  • 責任役員・監理支援責任者からの報告聴取
  • 結果を記載した書類の作成・提出

同行監査(年1回以上)

  • 育成就労実施者(受入企業)への監査に同行して確認
  • 結果を記載した書類の作成・提出

許可申請と外部監査人は、同じ事務所に頼めるのか

結論から言えば、可能です。

この点について不安を感じる方が多いのですが、外部監査人の独立性(密接な関係の有無)は、監理支援機関との関係ではなく、その傘下の育成就労実施者(受入企業)との関係で判定されます。

「監理支援機関と顧問契約を結んでいる弁護士・行政書士等は、直ちに『社会生活において密接な関係を有する者』には該当しない」

— 育成就労制度 運用要領 5-26

つまり、許可申請の書類作成を代行した行政書士が、同じ監理支援機関の外部監査人に就任することは、法令上問題ありません。

むしろ、申請段階から御団体の状況を把握している行政書士が外部監査人を務めることで、監査の精度が高まるというメリットがあります。

注意点

傘下の受入企業(育成就労実施者)と顧問契約等の密接な関係がある場合は、その受入企業に対する監査の独立性が確保できないため、受入企業への対応はスポット(個別案件ごと)で行う必要があります。

万が一、許可が下りなかった場合

許可申請が不許可になった場合でも、諦める必要はありません。審査請求(行政への正式な不服申立て)という制度があります。

審査請求では、行政の判断が違法であるかだけでなく、不当であるかどうかも審査の対象になります。つまり「法律には違反していないが、この判断はおかしいのではないか」という主張も正式にできる制度です。

この手続きは特定行政書士(行政書士の約10人に1人、全国約5,200人)が代理できます。通常の行政書士では、申請まではできても、不許可後の不服申立てまで対応する体制が整っていないケースが多いのが実情です。

許可を更新できなければ事業継続ができなくなる以上、申請から、監査から、万が一のときまで対応できる体制を確保しておくことには大きな意味があります。

準備のステップ — 何から始めればよいか

許可申請の準備は、以下の順序で進めることをお勧めします。

  1. 1.外部監査人の確保 — 申請の前提条件。最初に動くべき項目です
  2. 2.許可要件の適合チェック — 法人形態、財務、人員配置、定款を確認
  3. 3.必要書類の作成 — 許可申請書、事業計画書、決算書類の整理等
  4. 4.申請・提出
  5. 5.許可取得後の運営体制整備 — 外部監査の開始、監理支援業務の実施

特に①の外部監査人の確保は、候補者の選定から契約締結まで時間がかかるため、早めの着手をお勧めします。

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田原 靖弘

この記事の著者

田原 靖弘

特定行政書士 / 元大阪府警捜査二課刑事

大阪府警で18年間、捜査二課で詐欺・横領・企業犯罪の捜査に従事。退職後は会社役員として経営にも参画。 現在は特定行政書士として、企業の危機管理・外国人雇用支援・医療法人設立支援を行っている。

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