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外国人・国際関連業務#永住許可 取消し#入管法改正 2024#外国人雇用 リスク#社会保険 未納#永住権 条件

2024年改正入管法(2027年施行)|永住許可取消しの新基準と企業がやるべき防衛策

公開: 2026年1月23日
更新: 2026年3月14日
田原 靖弘
5 min read

2024年改正入管法(2027年4月施行)とは、永住許可の取消し要件を新設する法改正であり、故意の公租公課(税金・社会保険料)不払いや虚偽申告等を行った永住者の在留資格が取り消される可能性がある。企業と外国人が知っておくべき防衛策を解説する。

💡この記事の要点 / Key Takeaways

2024年改正入管法(2027年施行予定)で永住許可の取消事由が大幅に拡大。税金・社会保険の未納、虚偽申請が取消しの直接原因に。外国人従業員を雇用する企業が今からやるべき防衛策を、条文と法務省資料に基づいて解説します。

田原 靖弘
✍ この記事の執筆者

田原 靖弘申請取次行政書士 / 元大阪府警刑事

警察官時代に、国内で初めてとなるクレジットカード偽造工場の摘発を担当するなど、多くの現場で捜査に従事。現在は取次行政書士として在留資格の申請取次業務を行っています。

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「永住権を取れば安心」という常識の崩壊

今回の改正で最も注目されているのが、「永住者の在留資格取消し事由の拡大」です。
これまでは更新がないため安心と言われてきましたが、今後は税金や社会保険料の未納が、永住権を失う直接的な原因になり得ます。
なぜ今この改正が行われたのか、具体的に何がリスクになるのか、企業はどう対策すべきかを解説します。

🌏 なぜ今、ルールが厳しくなるのか?

背景にあるのは、同時に成立した新制度「育成就労」の創設です。
従来の「技能実習制度」が廃止され、人材確保と育成を目的とした「育成就労」がスタートします。これは基本的に3年間で「特定技能1号」の水準まで育て、将来的には「特定技能2号」を経て、永住許可へとつながるキャリアパスを明確にしたものです。

💡 改正の意図
国は「入り口(永住への道)」を広げる代わりに、「出口(永住許可後の管理)」を厳格化するバランスを取りました。

「永住者として日本に住み続けるなら、日本人と同じように公的義務をしっかり果たしてください」というメッセージと言えます。

永住許可「取消し」の3つの新基準

※2027年までに施行予定

💸

① 税金・社保の「故意」の未納

これが実務上、最も影響が大きい変更点です。 所得税、住民税、国民年金、国民健康保険などを、支払う能力があるのに「故意に」支払わない場合、取消しの対象となります。

※病気や失業など「やむを得ない事情」がある場合は対象外となる見込みですが、督促を無視し続けるなどの悪質なケースはアウトです。

⚖️

② 1年以下の「拘禁刑」も対象

これまでは「1年を超える実刑」が基準でしたが、改正後は1年以下の拘禁刑(懲役・禁錮)でも、特定の罪(窃盗、傷害など)であれば永住取消しの対象になり得ます。

⚠️ たとえ執行猶予がついたとしても、罪を犯して有罪判決を受けた事実が重く見られるようになります。

🪪

③ 入管法上の届出義務違反

  • 在留カードの常時携帯義務
  • 住居地の届出(引越しから14日以内)
  • 在留カードの有効期間更新(7年に1回)

これらを怠った場合も、悪質な場合は取消しの対象となります。

※もし取り消された場合、即強制送還ではなく、「定住者」など他のビザへ変更される救済措置も想定されていますが、永住権という重要なステータスを失うデメリットは計り知れません。

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リスク回避Tips

永住者の社員が資格を失うことは、企業にとっても貴重な人材の喪失やコンプライアンス上のリスク(不法就労助長など)につながります。
人事担当者が今すぐできる対策をまとめました。

✅ Tips 1:住民税の特別徴収を徹底

未納トラブルの多くは、自分で納付する「普通徴収」のケースで発生します。日本人社員と同様、外国人社員も原則として特別徴収(給与天引き)に切り替えてください。これにより、「うっかり払い忘れ」による未納リスクを物理的に防ぐことができます。

✅ Tips 2:社会保険への適正加入

パート・アルバイトであっても、加入要件を満たす場合は必ず社会保険(厚生年金・健康保険)に加入させてください。
「手取りが減るから入りたくない」という本人からの要望があっても、「将来、永住権が取り消されるリスクがある」と説明し、加入を促すことが本人のためになります。

✅ Tips 3:カード有効期間のチェック

永住者には「在留期限」はありませんが、「在留カードの有効期間(7年)」があります。これを過ぎるとカード自体が失効し、不法滞在とみなされるリスクや、新しい取消事由に該当する恐れがあります。
企業側でも有効期限を管理し、更新のアラートを出す仕組みを作りましょう。

✅ Tips 4:退職時のフォロー

退職から再就職までの「空白期間」に、国民年金や国民健康保険への切り替えを忘れて未納になるケースが多発しています。
退職時には、「役所に行って年金と保険の切り替え手続きを必ず行うこと」をアナウンスしてください。

💡 行政書士からのアドバイス

今回の改正は、真面目に暮らしている永住者を追い出すためのものではありません。しかし、「知らなかった」「うっかりしていた」での滞納が、将来的に致命傷になるリスクが高まりました。

企業の人事担当者様におかれましては、「税金・社会保険の支払いはビザの維持に直結する」という事実を、社内研修などで外国人社員に周知徹底することをお勧めします。

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よくある質問

Q.永住許可が取り消されるのはどのような場合ですか?
A.

税金・社会保険料の故意の未納、1年以下の拘禁刑に該当する犯罪、入管法上の届出義務違反などが新たな取消事由とされています。

Q.永住者の在留カードに有効期限はありますか?
A.

在留期限はありませんが、在留カード自体に7年の有効期間があります。更新を怠ると届出義務違反となり得ます。

Q.税金を払い忘れただけで永住権は取り消されますか?
A.

支払能力があるのに故意に支払わない場合が対象です。病気や失業などやむを得ない事情がある場合は対象外となる見込みです。

Q.企業が永住者の社員を守るためにできることは何ですか?
A.

住民税の特別徴収(給与天引き)の徹底、社会保険への適正加入、在留カード有効期限の管理などが有効な対策とされています。

Q.育成就労制度とは何ですか?
A.

技能実習制度に代わり2027年に施行予定の新制度で、3年間の就労を通じて特定技能1号レベルの人材育成を目的としています。

Q.永住許可が取り消された場合はどうなりますか?
A.

即座に強制送還ではなく、「定住者」など他の在留資格への変更による救済措置も想定されています。

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田原 靖弘

この記事の著者

田原 靖弘

特定行政書士 / 元大阪府警捜査二課刑事

大阪府警で18年間、捜査二課で詐欺・横領・企業犯罪の捜査に従事。退職後は会社役員として経営にも参画。 現在は特定行政書士として、企業の危機管理・外国人雇用支援・医療法人設立支援を行っている。

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